老後のライフプランの考え方
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平均寿命が伸び、高齢化社会が到来するとともに、仕事をリタイアしたあとの老後の人生の送り方と、それに付随する生活費用の問題が大きくクローズアップされてくるようになりました。第二の人生が長い分、その間の生活費用をどう用意するかが大きなテーマとなるわけですが、それにはまず、老後をどう過ごすか、ライフプランそのものを考えてみる必要があります。
ライフプランを考えるに当たっては、自分がどんな生活を望んでいるのか、具体的に「誰と」「どこで」「どう過ごすのか」というイメージを描いてみることが大切です。
誰と暮らすのか
「誰と」は、夫婦でというケースが一般的と思われますが、死別等により1人で暮らさざるを得ない人もいるでしょう。また、子どもと一緒に暮らすのかどうかという点も、考えてみなければならないでしょう。最近は、老後に子どもの世話にはならないという人が増えていますが、一方で、親と同居なら住宅費を軽減できるからと二世帯住宅での同居を望む子どもがいるのも事実です。さらに、面倒を見なければいけない老親がいるというケースもあるかもしれません。
こうした家族構成によって、用意しなければならない金額が大きく変わってきます
どこで暮らすのか
「どこで」は、場所のことだけでなく、どんな家に住むのかという面も合わせて考える必要があります。いままでと同じ住居に住み続ける人も多いでしょうが、子どもが独立すれば夫婦2人で暮らすには大きい家を売って、都心の便利なマンションに引っ越したり、逆に田舎に一戸建てを購入して暮らすという人も最近では増えています。思い切って物価が安くて治安も良いという条件を備えた海外に移住するという生き方もあります。
また、同じ場所で暮らすにしても、高齢になると足腰が弱って日常生活に不便を感じることが多くなりますから、廊下や階段に手すりをつけたり、床の段差を少なくしたバリアフリーの家にリフォームする人も増えています。
さらに当面は自宅で暮らすにしても、将来的には老人ホームに入居するのかどうか。その場合、どんな老人ホームに入居するのか、自宅は処分するのかどうかなど、様々なケースを検討してみる必要があります。
どれがいいかは好みの問題ですが、足腰が弱り、病気で通院する機会も多くなることが予想される老後の住まいとしては、食料品や日用品の揃ったスーパーや病院が近くにあるかどうか、といった点を考慮に入れる必要があります。
どう過ごすのか
老後の人生のポイントは、生きがい、健康、お金の三つといわれます。定年退職後の20年近い人生を「どう過ごすのか」ということは、生きがいに関わる非常に重要な要素です。
定年後もまだまだ働きたいのか、思い切って事業を興すのか、ボランティアに精を出したいのか、趣味に没頭するのか、家系を調べたり自分史をまとめるのか。仕事をリタイアしたらのんびり暮らしたいという人もいるでしょう。選択肢は多種多様です。
老後をどう過ごしたいか、どんなことをやりたいのかがハッキリすると、自ずとそれができる老後を送るにはどうすればよいのか、何を準備すればよいのか、お金はどの程度あればよいのか、といったことが見えてきます。
たとえば、「田舎で農作物をつくりながら、のんびり過ごしたい」という希望があるなら、リタイアするまでに農業の知識をいまから勉強しておこうといった目標も生まれます。
老後のリスクを考える
人間誰しも長寿を保ちたいと願うものですが、長生きをすればそれだけ不安要素をたくさん抱え込むことにもなります。したがって、あらかじめ老後にはどんなリスクがあるのか想定しておきましょう。
健康面の不安
老後のリスクとして、その最大のものは健康面でしょう。高齢化するほど大きな病気にかかる確率は高くなりますし、高齢者は交通事故に遭う比率が高いという統計もあります。せっかく長生きできても病気がちでは、楽しい老後とはいえませんし、病気やけがで長期にわたって入院を余儀なくされたら、治療費用の点でもばかになりません。とくに寝たきりになれば、介護する者の精神的・身体的負担が大きく、費用の点でも大きな問題となります。健康保険や介護保険などの公的保障もありますが、果してそれだけで十分といえるのか、「自分あるいは配偶者が寝たきりになったら」というケースを想定して、どう対処できるのかを考えておいたほうがよいでしょう。
また、会社勤めのときは定期的に健康診断を行なっていても、定年退職後はやっていないという人が多いようです。健康診断は自治体でも行なわれていますから、必ず定期的に受けるようにしましょう。
配偶者との死別・離婚
配偶者との死別も大きなリスクといえるでしょう。男性側からみた場合、経済的に困窮するというケースは少ないと思われますが、精神面での影響は無視できません。また、家事や近所づきあいなどの面でも、負担に感じる人が少なくありません。女性にとっては、夫が死亡すると公的年金の額が少なくなりますから、経済面での影響が大きいといえます。夫と死別した場合に、生活に必要な費用がどの程度かかり、どうやってそれを賄っていくのか、考えておく必要があります。
また、近年は、定年前後に離婚する夫婦も増えています。熟年離婚の場合、妻のほうから離婚を申し出るケースが多いようですが、いざ離婚となったら慰謝料の支払いや財産分与など金銭面、生活面ともに老後のプランが根底から崩れてしまうことになります。老後の資金づくりを始める段階から、定年後は夫婦でどんな暮らしをしたいかなど十分に話し合っておくことが大切です。
相続問題
親が死亡した後、家と土地を誰が受け取るのか、生命保険金をどう分配するかなど、兄弟どうしで財産をめぐって争いの起こることが少なくありません。これは、それほどの資産家ではない家庭でも発生しがちのトラブルですから、自分が死んだ場合に財産をどう分配するのかを考えておく必要があります。
財産が多い場合はもちろんですが、前妻と後妻に子どもがいるといった家族関係が複雑なケース、農業や商売など家業の承継と直結しているケースでもトラブルは起こりがちですから、まだ元気なうちに遺言の作成などを考えておくべきでしょう。
ライフプランを描く
現在の家計の把握
老後をどう過ごすかが決まれば、老後資金としてどの程度のお金が必要になるのかがわかってきます。次に、資金がどの程度不足しているかをみるために、現在の家計を把握することが肝要です。収入と支出それぞれを費目別に一覧表にしてみます。
収入は、税金や社会保険料を引いた手取りの年収、その他の収入、合計額を書き出します。
一方、支出のほうは、基本生活費(食費、水道光熱費、電話料金、医療費、交通費など)、住居費(家賃や住宅ローン返済など)、教育費、保険料、その他支出(教養娯楽費、小遣いなど)というように費目別に集計します。
年間の収入合計から支出合計を引いたものが、1年間の貯蓄額となるはずです。
次に、将来の収支の予測を行ないますが、これは現在の収支をもとに考えます。現在から定年までの家計はどうなるのか、1年単位で収支を記入し、ライフプラン表を作成してみます。
さらに、定年後の収入はどの程度になるのか、また支出はどの程度まで抑えられるのか、やはり収支を表にまとめます。
老後のシミュレーション
年間の収支が把握できたら、これらを下表のように一つの表にまとめてみます。下表では5年分しかとっていませんが、実際には現時点から20年先、30年先まで各年ごとに家計の収支と貯蓄残高の推移を書き込みます。
2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | ||
1年後 | 2年後 | 3年後 | 4年後 | |||
本 人 | 50歳 | 51歳 | 52歳 | 53歳 | 54歳 | |
配偶者 | 46歳 | 47歳 | 48歳 | 49歳 | 50歳 | |
子ども | 21歳 | 22歳 | 23歳 | 24歳 | 25歳 | |
イベント | 旅行 | 法事 | 子ども大学卒業・就職 | 旅行 | 自動車買換え | |
収 入 | 給与収入・本人 | 880万円 | 880万円 | 860万円 | 860万円 | 850万円 |
給与収入・配偶者 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | |
公的年金 | ||||||
私的年金 | ||||||
満期保険金等 | ||||||
一時的な収入 | ||||||
収入合計 | 960万円 | 960万円 | 940万円 | 940万円 | 930万円 | |
支 出 | 基本生活費 | 300万円 | 300万円 | 290万円 | 270万円 | 270万円 |
住居費 | 180万円 | 180万円 | 180万円 | 180万円 | 180万円 | |
教育費 | 100万円 | 100万円 | ||||
保険料 | 35万円 | 35万円 | 35万円 | 35万円 | 35万円 | |
その他の支出 | 90万円 | 100万円 | 90万円 | 80万円 | 80万円 | |
一時的な支出 | 40万円 | 50万円 | 40万円 | 200万円 | ||
支出合計 | 745万円 | 765万円 | 595万円 | 605万円 | 765万円 | |
年間収支 | 215万円 | 195万円 | 345万円 | 335万円 | 165万円 | |
貯蓄残高 | 2425万円 | 2693万円 | 3119万円 | 3548万円 | 3819万円 |
イベント欄は、旅行、住宅の改築、子どもの進学予定や結婚、クルマや高額の耐久消費財の購入・買換えなど、まとまったお金が必要になるものを金額も併せて記入します。自分で何かお店をもちたいといった希望があるなら、いつ頃開業したいのか、資金はどの程度必要かといったことも書き入れます。このイベント欄は、先に検討した「どう過ごしたいのか」によって、かなり違ってきます。
また、収入欄には、満期保険金等についての欄を設け、生命保険や損害保険、各種共済などの満期がいつ来るのか、満期金はいくらかを記入します。
もちろん、予想のとおりに人生を送れるわけではありませんが、こうした表を作成することで、自分がどういう老後を送ろうとしているのかが概観できるとともに、老後に必要な資金がどの程度不足してるのかを明らかにすることができます。
こうした作業が面倒だと思う人は、市販のパソコン用資産管理ソフトを使う手もあります。こうしたソフトには、ライフプランニング機能が付いていますから、比較的簡単に表づくりができます。
金融商品の選び方
老後の生活において、基本収入となるのは公的年金でしょう。しかし、生活レベルを落としたとしても、公的年金だけでは不足するという人も多いのではないでしょうか。公的年金は将来、支給額を抑えられる可能性もあり、これだけに頼った生活設計では不安が残ります。
そこで、金融商品などによって、自分で老後資金を蓄える必要がありますが、現在のような低金利時代では、預貯金だけで必要資金額をクリアするのは困難ですから、資金づくりの手法として投資型の金融商品で資産を殖やすことも考える必要があります。
ただし、投資型商品の場合は元本割れのリスクもありますから、まだ若くて運用期間が長くとれる間は投資型商品に重点を置き、定年が近づいてくれば確実性の高い商品に比重を移すというのが資産運用の基本といえます。