「学識経験者関係」

街ぐるみかぐや姫公園都市へ   河野 俊彦  - 2002/07/19

 京田辺市になる頃に発足した、街ぐるみ生活公園都市研究会をお世話してきましたが、三山木駅を中心とした地区の再開発に、生かされることを望みます。
 奈良の都と京の都を結んだ主要連絡道でありながら、時代に残されたこの地域に、21世紀の今日やっと開発が可能な時を迎えています。 わが国の戦後の急激な発展時期の延長ではなく、人間が生活し易い、地球環境の悪化を取り戻す意味からも、京田辺のスローガンでもある「屋根のある田園都市」構想にのっとり、緑と歩ける道を取り入れた街つくりをしましょう。 立地条件からこの地区の歴史を基本に街つくりを考えるのは必然的でありましょう。 かぐや姫の里つくりの中に、そこに生活する住民に潤いを与える21世紀型都市が実現するでしょう。

三山木駅前区画整備に関する街づくり構想への要望書

 2002.10.3

周辺協力者 学識経験者 河野俊彦

〇 提案のコンセプト「21世紀型住生活に優しい街」の意味するもの

 これまでの都市計画のほとんどは働く環境に効率を求めるタイプのものであった。戦後急激に成長したわが国に限らず、科学技術の発展と共に経済的な高度成長を伴って、その場その場での近視眼的応急手当的な街つくりがなされてきたと言っても過言ではない。その結果、ついに人類は地球環境を悪くすると言う決定的なマイナス効果をもたらした。その大きな犠牲を払った代償としても、決して人々は快適な住施設及び住環境を得たとは言えない。

地球上に住む人類が生きるという基本には「人も動物である」と言う原点に返ってもう一度考えなければならない。それには電気エネルギーや機械に頼らず、人自らの手足で行動できる環境、さらには、一人一人がその住所において生物との共棲を図らなければならない。

その具体的な街構造は、従来、山や野原、水田であった所を開発すれば、その開発地区内に50%以上の元在った環境(樹木・緑地、水面面積)を保持または同様なものを再生しなければならない。更に、これまでの20世紀に開発されている都市地区に同面積の広さ地域について都市構造再開発(リストラクチャー)を行い、その広さの50%を自然環境(樹木・緑地、水面面積)に充てなければならない。地球全体からみれば、これでトントン即ちこれまでと変わらないだけである。更に、19世紀程度に戻そうとするなら、大阪や東京に森を再現させなければならない。

そのような考え方からだけではなく、人間の安らぎ等の精神面からも自然との触れ合いは必要なことである。週末に満員電車や停滞する高速道路を使って、自然を求めるのではなく、人が寝起きする生活環境にこそ自然は必要である。

それを実現させるのは、街中に歩けるだけの道を張り巡らせることである。そして、その横には溝(水路)を配置し、公園のそばに池を配置する構造である。

具体的には、三山木駅前から同志社大学に向けて、線状に伸びる「水路を併設した歩ける道」に面して、屋根のある商家や民家が点在する。商店は竹細工屋、喫茶店を併設したお茶屋、一膳飯屋、若者好みの染物衣類屋、染小物屋、美術商、民具と古物商、その他色々、この地域にゆかりのある「かぐや姫の里」に統一した街つくりが良い。