世界遺産The world heritage

稲作民俗の源流 Fork customs of rice growing in the world   
中国・蘇州「寒山寺」                 

                

蘇州・寒山寺


 唐の詩人張継の「楓橋夜泊」に詠まれた寺で、寺の鐘は日本から寄贈されたもので
除夜の鐘としても有名です。
この寺の除夜の鐘を聞くと10年若返ると言われていて、毎年12月31日になると
日本人観光客で寺はあふれるようです。  張継の「楓橋夜泊」
 月が落ちて鳥が鳴いている。普通は、日の出前の鳥のざわめきを言っているが、
寒山寺付近には山が近くになく、一番近い霊岩山で12キロ離れていて
「月は烏啼山に落ち」と言う解釈には無理があるようです。
「拓本について」
 張継の詩は明代の名筆家「文徴明」の詩碑を使ったが摩耗した。
現在あるのは清末期の文学者「愈曲園」の碑文だそうである。
実際には、またその模刻碑(木製)の拓本が用いられているようです。
この拓本は非常に有名で、最近ではここまでこなくても日本で手に入ります。 

「寒山寺の鐘」
 嘉靖年間1522−1566年に本寂禅師により鋳造されたのが最初です。
寒山寺は1618年、1711年、1860年の3回消失しているようです。
明朝の本寂禅師の鐘も 寒山寺誌によると日本人により持ち出されたと
いわれています。一般に現地で販売されている拓本の配列は、決して綺麗じゃないといわれています。
上下左右不揃いで、拓本をとるため別の木製の元字を作りそこから採拓しているようです。
字の配列も奇麗なものとなっているようですが一応落款は押印されていますが、真贋は
難しいようです。
現地ではこの拓本のほかに「寒山拾得」の掛け軸が大変有名でする。「寒山拾得」は
この寺に修行していたようです。この寒山拾得が描かれた軸が日本でも大変有名です。
茶道をやっている人達にとっては、3万から15万の値段でもすんなりと買って帰られます。
それ程価値があるようです。
 そういう私も3本ほど買ってきました。日本で買うとなれば10倍の値段で取引される
りっばなものが売られていますよ。

入り口近くの静かな運河と橋と船の景色が最高です。
最近では運河運行の観光船が日本人観光客に人気を博していますが、
どぶ川となっていて河畔の景色は独特です。


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